2016年06月16日
「タマ出てビックリ、スロー撃ち」

私がまだ紅顔の美少年だった頃、じゃなくてニキビ面の辛うじて未成年であった頃、実銃を撃つ事になりました。
銃は小型リボルバー、38スペシャルの弾。
的は25メートル先の同心円の厚紙。
銃の雑誌や小説の知識なんかで、「霜が降るがごとく」とか書いてあったのを読んだり、モデルガンの銃身に十円玉を乗せて落ちないように静かに引き金を引くとかという練習をやってたおかげでガク引きすることなく的には命中しました。
ただ黒点の中心から30センチくらい離れたのはナイショだよ。
拳銃の把持の仕方はその時の指導者からレクチャーを受けたのですが、
「片手把持はハイグリップ」
みたいな事を教えてくれましたが、両手把持については
「右手を握ってもいいし、手首を握ってもいい」
との事で、射撃姿勢についてはどうやって教えてもらったか僕の記憶にあまり残っていない。
要するに的に命中させればOKとのことなんだろうと思います。
そんなことを教えられて拳銃を撃ち続けると集弾径が30センチ、25センチ、20センチとまとまってきます。
練習の成果ですね。
ただこれ以上撃ち続けても、どうしても15センチ以下にはまとまりません。
そんな時指導官はこういうことを言いました。
「拳銃はね、引き金をゆ〜っくり絞って、タマが出て、撃った自分がビックリするぐらいがちょうどいいんですよ」
前述の霜が降る云々の話は本で読んで頭ではわかっていたのですが、撃った瞬間の状態、意識を教えてもらったのは新鮮な驚きでした。僕の知る限りではそのようなことを書いていた文献はなかったからです。
今思うと当時は引き金を
「じ〜っくり絞って撃つ」
「じ〜っくり絞って撃つ」
というような感じで射撃をしていたのですがそれ以後は
「じ〜っくり絞って、あ! タマ出ちゃったよぉ、ビックリしたなあも〜」
「じ〜っくり、あ! タマ出ちゃったよ〜! ビックリー」
「じ〜、あ! タマ出ちゃったビックリー!」
と、撃つたびにいちいち意識してビックリする事にしました。
そうすると、なんという事でしょう。
あれだけまとまらなかった弾痕がコンスタントほぼ10センチにまとまるようになりました。
10点圏にはややずれていたため満点とはいきませんでしたが、それ以降は9割以上の点数を取れるようになりました。
「タマ出てビックリ、スロー撃ち」
この言葉は今でも拳銃射撃をするたび思い出してます。
ちなみにこの事を教えてくれた指導者の射撃を1度見せてもらいましたが、4インチに満たないリボルバーで25メートル先の的の中心ほぼ5センチ内に弾痕をまとめ、内3発は弾痕がつながっているという恐るべきものでした。
これはとってもマネできないなぁ・・・
Posted by 眠月 at 21:46│Comments(0)
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