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リボルバー拳銃と昼寝ときゃりーぱみゅぱみゅが大好きです。

2016年06月23日

韓国で射撃 その3 蛇足編


韓国で射撃 その3 蛇足編
ひととおり拳銃を撃って満足し射撃場を出たが、そういえばメシ食ってないじゃん。
時間は午後10時。
ふと日本料理と漢字で書かれた居酒屋の看板が目についた。

そこで刺身とコチュジャンソースの唐揚げを食べ、アツカンでほろ酔いになって店を出た。

さて、寝るとこどうしようか・・・

実は今回の韓国旅行、往復の航空券だけ頼んで、ホテルは全く予約していなかったのである。

パリやマドリードだったら街を歩けばHOTELの看板がすぐ目について行き当たりバッタリの飛び込みでもすぐ宿が確保できたが、僕の歩いている範囲のソウルの街ではなかなか見つからなかった。
もちろん大きなホテルはあるが宿泊費が高そうで僕にはどうにも入りにくい。

どうしよう、安宿見つからなかったらどうしよう、一晩歩き回るか、それとも駅の地下の階段でも寝るか、そういえば寝てた人もいたし・・・
仲間に入れてもらおうかなあ、でも凍死したらどうしよう・・ ・
12月のソウルはとても寒い。

居酒屋で長居しすぎたため時間は午前0時半を回っていた。

先ほどまで賑やかだった明洞。

ほとんど人が歩いていない。
とりあえずソウル駅まで行ってみよう。
行けばなんとかなるだろう。
そう考えながら歩いていたら1人の男が近づいてきた。
くたびれたスーツを着た60がらみのおっちゃん。

「あんた中国人か日本人か」

と声をかけてきた。
一見して旅行者と見られたのか。
しかし、日本語で話しかけてきて、中国人か? もないもんだと思いながら

「日本人だよ」

「なぁ、あんた、女、 一晩、3万円だよ」

なんだポン引きか。
ん? 女ひと晩3万円?
3万かあ。
地元のお風呂だと1時間1万5,000円の2回分か。
怪しい地区の店だと30分1万だったような・ ・ ・
だとすると3万円で1時間半。
それが3万円でひと晩か。
ひと晩だと5、6時間。
チョーお得じゃん!

と、酔った頭の中で0.3秒で計算し判断した。
ちなみに0.3秒はアランラッドの抜き打ちより早い。

地元価格はあくまで人から聞いた話なのだが←ホントだよ
その基準だとコストパフォーマンスも申し分ない。

だがしかし、やっぱり3万円は自分にはちょっとキビシイ。
と言うより今回の訪韓の目的は射撃だ。
前回に続いて夜が明けたらもう1度射撃場に行って1万5000円で拳銃50発を撃つ予定なので1、2発撃つため(年齢及び酩酊の為、不発の畏れもアリ)に3万円も消費するつもりはないのである。

つもりはないのだけれども、海外じゃ値切るのは当然のこと。
もっと安かったらいいかなと思い、聞き間違えたフリをして

「えっ、3万ウォン? いいねぇ。 わかったいま払う」

財布を取り出した。
3万ウォンは当時のレートで2千円強。

「違う違う、3万ウォンじゃないよ。3万円!」

「3万ウォン? わかったわかった。安いねー、韓国っていいところだねー、最高だねえ」

3万ウォンを取り出す。

「3万ウォンじゃなくて3まんえんっ!」

「ウォンでしょ、ウォン」

「円だよ、えん!」

「ウォン? ウォンだよね?」

「円! 円!」

「ウォン? ウォン?」

「円、円、え〜ん」

「ウォン、ウォン、うぉ〜ん」

「え〜ん、え〜ん、え〜ん」

日韓泣き比べになってしまってラチがあかなくなってしまったので気がついたフリをする。

「えーっ、3万、エ、ン、なのぉ、チョット高いねえ。もうちょっと安くなんないのお?」

と聞いたが、おっちゃんは首を横にふる。安くならないようだ。

「じゃ、いいや」

とりあえず断ったが、良く考えれば女性をあてがう商売のこのポン引きのおっちゃん、当然安宿も熟知のはず。

「ねえねえ、女はいらないからさぁ。どっか安いホテル知らない?」

ポン引きのおっちゃん、少し考えて

「わかった、じゃあ、ついて来なさい」

と言われてひょこひょこついて行く。

「乗って」

「は〜い、失礼しまーす」

異国で怪しいおっちゃんの車に乗るのも警戒心が無さ過ぎなのだが、酔っ払っていたのでどうでも良くなっていた。

2、3分で明洞からはずれた街の雑居ビルの前に車は停車した。

「ここだよ」

こりゃわかんねぇわー。

ビルには縦横50センチの看板にひと文字4、5センチ角のアルファベットでLion Hotelと書いてある。

これじゃあ普通に街を歩いてても見逃すはずだ

「で、いくら?」

おっちゃんはフロントに聞いてくると言いながら二階に上った。

「7万ウォンだよ」

7万ウォン。
日本円にすると五千円弱か。
まぁ普通だね。
とりあえずおっちゃんに7万ウォン渡した。

「あ、領収書もたのむね。旅行の記録なんだから」

おっちゃんはちょっと動揺してたようだが

「頼むよー、領収証、領収証、りょーしゅーしょー、リョーシューショー」

領収書領収書と騒ぐもんだから、おっちゃんはしぶしぶフロントに頼んで領収書を持ってきた。

これでやっと寝れる。

「わるいねぇ、じゃこれ受け取って」

と僕はおっちゃんに1万ウォンを差し出した。

おっちゃんは「いやいいよ」と言って受け取らなかった。
なんだ、怪しいと思ってたらいい人じゃん。

「ありがとねー」

おっちゃんは先ほどの車に乗って去って行った。

たぶんまた明洞に戻るのだろう。今度はちゃんとしたスケベオヤジが見つかるといいね。

そう思いながらフロントから鍵をもらいホテルの部屋に入った。
部屋に入ると奥はベッド、右側は三畳ほどのガラス張りのトイレ兼用のシャワールーム。浴槽がないため広く感じる。
おお、いかにもって感じの部屋だあ。
さて寝るべ。
荷物を放って服を脱ぎ捨て、ベッドに飛び込む。
ふと枕元を見ると避妊具が3つあった。

み、みっつぅーっ!?

すげぇ、韓国人、すげえ、日本だとこういう所は、たしか1つか2つじゃないかな、よくわかんないけど・・・

それが3つ!

さすがキムチと徴兵のある国だ。日本人とはそういったパワーと言うかバイタリティーが違うかも知れない。

妙な事で感心していたが、さすがにもう眠くなったので寝ることにした。
もちろん枕元の避妊具は使う必要はない。

そして朝。

真剣に射撃をした夜は例外なく熟睡できる。
標的への集中でかなり神経を使ったからだろう。
二日酔いもなくスッキリと目覚めた。
時間は9時過ぎ。
ガラス張りのトイレ兼シャワールームでサッパリした後考えた。

次のホテル探すのめんどくさいからもう1泊しよ。
宿代も五千円位だから予算の範囲内だし。
じゃ、飯でも食いに行こう。

外出の準備をして早速フロントに向かった。

「アンニョンハセヨ、あー、あー、アイ、ステイ、ワンモアoneday、ワンモア、おけ?」

7万ウォンと書かれた領収書を見せて

「7万ウォンオッケー、アイペイ7万ウォンおけ?」

自慢じゃないが、僕の英語は実力は日本の中学1年の二学期レベルに達している。

フロントの女の人に7万ウォンと鍵を押しつけるようにして

「チョヌン シクサカムニダ」(私は 食事 行くです←直訳)

「アンニョンイガセヨー」(行ってらっしゃーい←意訳)

完璧な中1の二学期レベルの英語と旅行会話レベルの韓国語で僕の真意が伝わった。
これでひと安心。
心置きなくソウルの街を散策できる。

初めての朝のソウルの街は天気が良く、意外と爽やか。
あてもなく歩いていたつもりがまた明洞の街に来てしまったようだ。宿泊先のホテルからすぐ近かったんだね。

目についた食堂ででアワビのお粥とビール注文。
朝食を済ませ、店を離れ少し歩いて、あることに気がついた。た

やべえ、酒飲んでしまった。テッポー撃てねえじゃん。
さすがに酒気を帯びての拳銃射撃はヤバイだろう。
じゃ、ホテル戻ってもうひと眠りして酔いを覚まそう。

ホテルに戻り、入口から二階にあがりフロントに向かった。
フロントは僕と同年代の男の人に変わっていた。

「マイキープリーズ」

部屋番号を伝えて鍵を受け取った。
そして部屋に戻ろうとするとフロントの人は僕の腕をつかみ韓国語で何か言っている。
そして頭を下げて非常に申し訳なさそうな顔をしている。

「えっ? なになに? ホワット? ウエヨ?」

びっくりして固まっているとフロントの人はおもむろにレジからお札を取り出し、僕に押し付けた。
訳もわからず受け取ってみると1万ウォン札が3枚。

「えっ、なになになにそれ」

言葉が通じないため、彼は脇にあったメモ用紙に70000と書いてその上にバツ印をつけた。
次に40000と書いてそれを丸で囲った。

「あっ、やられたあぁぁぁ!!!」

ポン引きのおっちゃん、僕に宿代は7万ウォンと言って受け取り、その中からホテルには正規料金の4万ウォンを支払い、残りの3万ウォンをしっかりパクりやがったのである。
とんでもねえ野郎だ。

最初から胡散臭くて怪しい奴だと思ってたぜ、ちくしょー←負け惜しみ


フロントの人のメモでポン引きのおっちゃんの悪業が理解できた僕は

「OK、りょうかい、アルゲッソヨ」

申し訳なさそうに何度も頭を下げているフロントの人に3万の中から1万ウォンをチップとして渡し、僕は部屋に戻った。



それにしてもあのポン引きのおっちゃん、この犯行をいつ思いついたのだろう。
安宿を紹介してくれと言った時点で思いついたのだろうか。
それともこういった事はおっちゃんにとって日常茶飯事なのか。
領収書をくれと言った時に動揺していたのは犯行がいずれバレると思ったからなのか。
お礼の1万ウォンを受け取らなかったのは良心の呵責なのか何なのか。

フロントの人も黙っていればこちらも通りすがりの旅行者なんだから分かりゃしないのに正直な人なんだからあ、まったくもう。

負け惜しみではないが、正直なところ冬のソウルの街をさまようハメになりそうなところをおっちゃんのおかげでホテルが見つかり熟睡できたし、話のネタにもなった。
実際5,6人にもこの話をしたし、今現在日記のネタにしている。


後日談だが、帰国からひと月くらい経った頃、明洞で警察によるポン引きの一斉摘発が実施されたと韓国ニュースの翻訳サイトで知った。

あのおっちゃんも逮捕されたんだろうなあと思うと笑えた。



射撃の話ではなくてごめんなさい・・・




Posted by 眠月 at 15:51│Comments(2)
この記事へのコメント
イイよ(^。^)
Posted by 蓮根おじさん蓮根おじさん at 2017年01月27日 22:40
イイね❗️
Posted by サキちゃん at 2017年01月27日 22:38
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